クラフトビールを飲んでみたいけれど、種類が多くてどれを選べばいいか分からない、という方は多いと思います。 この記事では、家飲みで「ひと手間」楽しむための、スタイル別のクラフトビールの選び方を紹介します。
ビール、そしてクラフトビールの歴史
ビールの起源は非常に古く、紀元前9500年頃の新石器時代、人類が農耕を始めた頃に穀物が偶発的に発酵したことがビールの始まりとされています。中世ヨーロッパでは、修道院が醸造の中心地となり、各地域ごとに個性のあるビールが育っていきました。
現在の「クラフトビール」という潮流の発祥はアメリカです。1970年代、大量生産型のビールが主流だった中で「もっと多様なビールを飲みたい」という機運が高まり、自家醸造が合法化されたことで小規模なブルワリーが次々と生まれました。
日本では、1994年(平成6年)の酒税法改正で、ビール製造免許に必要な最低製造量が年間2,000キロリットルから60キロリットルへ大幅に引き下げられ、小規模な醸造所が参入できるようになったことがクラフトビールの出発点です。当初は「地ビール」として各地の名産品的な位置づけで広がりましたが、品質のばらつきからブームは一時落ち着きます。それでも高い志を持ったブルワリーが醸造を続けた結果、2011年頃から改めて注目が高まり、2021年時点で全国500以上のブルワリーが個性豊かなビールを造るまでに成長しました。
こうした背景を知っておくと、クラフトビールが単なる「流行りの飲み物」ではなく、造り手のこだわりが詰まった一杯であることが感じられ、より一層味わい深く楽しめます。
クラフトビールの主なスタイル
IPA(アイピーエー)
「India Pale Ale」の略で、もともとはイギリスからインドへ長期輸送する際、腐敗を防ぐためにホップを多く使ったことが起源とされるスタイル。ホップの香りと苦みが強いのが特徴で、柑橘系やトロピカルな香りのものが多く、はっきりした味が好きな方におすすめ。
ペールエール
IPAよりも苦みが穏やかで、バランスの良い味わい。18世紀のイギリスで生まれた、淡色麦芽を使った伝統的なスタイルが源流。クラフトビール初心者が最初に試すのに向いている。
スタウト・ポーター
黒っぽい色合いで、コーヒーやチョコレートのような香ばしさがある。もともとは18〜19世紀のロンドンで、荷運び労働者(ポーター)に人気だったことが名前の由来とされる。じっくり味わいたい夜に向く。
フルーツビール・セゾン
セゾンはベルギーの農村で、夏の農作業の合間に労働者へ振る舞われていたのが起源。フルーティーで飲みやすく、ビールの苦みが苦手な方にもおすすめ。
ラベルの読み方の基本
クラフトビールのラベルには、選ぶ上で参考になる情報が記載されています。
- スタイル名(IPA、ペールエール等):味の系統をおおまかに把握できる
- IBU(苦味の単位):数値が高いほど苦みが強い。40以上は苦み重視のタイプが多い
- ABV(アルコール度数):クラフトビールは5〜8%程度と、一般的なビールより高めのものが多い
選び方のポイント
- 最初はペールエールから試す:苦みや香りのバランスが良く、失敗しにくい
- 香りを重視するならIPA:香りの強さは商品によって差が大きいので、まずは少量パックで試す
- じっくり飲みたい夜はスタウト:食後のリラックスタイムに合う
- 飲みやすさ重視ならフルーツビール・セゾン:ビール初心者や、女性にも人気
ひと手間で楽しむコツ
- グラスは香りが立つチューリップ型がおすすめ(IPA・ペールエール向き)
- 冷やしすぎると香りが感じにくくなるので、飲む10分前に冷蔵庫から出しておくとよい
- スタイルごとに合うつまみを変えると、より違いを楽しめる(IPAには辛味のあるつまみ、スタウトにはチョコレート系など)
お酒を楽しむ上でのお願い
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。 お酒は20歳になってから、節度を守って楽しみましょう。 飲酒後の運転は絶対にしないでください。


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